「I HAVE A DREAM」
25期 岩知道 寿夫
アメリカの同時テロの数日後に、植栽管理に特化した専門会社を設立しました。実際のところは造園の各種業務を手掛けざるを得ない状況ですが、いつの日かそんな会社に、という夢を持っています。
私自身は建築設計からこの業界に入ったため、造園の計画・設計を主に歩んできました。幸い時代が良かったのか、大阪花博や淡路花博等のイベントで企画~施工~メンテ業務などを経験してきました。又、近年は大阪梅田の「新里山」・「希望の壁」の現場において、最先端の造園技術の貴重な体験をすることができました。
しかしながら数多くの業務に携わった割には、樹木への理解が深化したわけではなく、いずれ腰を据えて勉強せねばと考えていたところへ、先輩から樹木医資格試験の勉強会のお誘いがありました。
試験は当初考えていたよりも手強く、残念ながら初年度は持病の腰痛もあり、準備を終えるには至りませんでした。2年目は前年の轍を踏まないよう体調管理を徹底することで年初から試験への備えを開始しました。準備は、仕事中心の生活パターンから早朝のウォーキング・ストレッチ等、フィジカル中心の生活のリズムの徹底です。2年期間限定で始めたのですが、この習慣は今も続いています。
つくば研修所では同年配の仲間の部屋が固まっていて私が同期の最年長であることも判明し、誇らしくも恥ずかしかったのを懐かしく思い出します。工学部出身の生物音痴である私には、我が子より若い研修生が中心となって開催された夜の勉強会なくして合格は望めなかったと思います。
最終日の面接で樹木医としての抱負を尋ねられ、すかさず子供たちや地域の人達へ自然の不思議や緑の重要性を伝えて行きたいと答えたのは、自分の生物、植物への無理解に対する反省と、人はもっと自然界に学ぶべきであると考えるからです。今後、多くの樹木医の先達や樹木から教わる機会が増え、現場で実践を積みながら、学ぶ生活を喜びにしたいと考えています。