「論文にウエイトを」
27期 西田 悠一
申込時は60代でしたが受験時は70歳になっていました。気が付けば27期の最高齢樹木医でした。折角ですので、これから樹木医試験に挑戦される方々に、お役に立つと思われることをお伝えします。
択一式の学科については、樹木医のバイブルである「樹木医の手引き」を誰もが読みこなし、樹木に関する一定の知識を得て試験に臨むので、点差は開かないでしょう。この本の読み方・勉強の仕方も先輩達が色々書かれていますし、皆さん自身の覚え易い方法が一番です。ちなみに私は4回読みましたが、2回目に入った際、記憶に全くないマーカーがやたらと引いてあり唖然としました。当然全部自分で印したものでした。ということは、記憶力の正常な若い方は4回も読まなくても良いということです。一方、点差が開くとしたら論述式試験の3問の論文でしょう。採点者の方が受験者の人となりを見極められるのも、この論文の内容からの筈です。つまりあまり注目されてはいませんが、論文が合否を分けると思います。論文の書き方・表現の仕方を身に着け、如何に自分の意見を客観的に・理論的に・平易な文章で相手に伝えられるかが、最大のポイントなのです。テクニックだけ上達しても本来の目的ではありませんが、文章能力はテクニックだけ上達することはありません。それは心が入らないと上達しないからです。つまり心が入っていれば、相手に理解してもらえます。短期間で上達しないのではと心配される方もいますが大丈夫、意識して練習すれば間に合います。過去問と同じ問題は出ませんが、全く書けない問題はありません。同レベルの問題を身近な課題から自分で作り、それを30分で400字に纏める練習を週に1度はするのです。6か月あれば25題はこなせます。最初は慣れなくても15題目位から、採点者の顔が見え出し、更にその後ろにユーザーの顔が見える様になります。ユーザーが納得してくれたと思えるように迄なればもう合格間違いなしでしょう。最後に、筆記具はどうしても力が入るのでシャープペンより鉛筆が良いでしょう、良質の消しゴムもお忘れなく。