「精神一到何事か成らざらん!」
23期 寺崎 正人
短大卒業の後に広島での植木屋修行を経て、実家の造園業を継ぎ10数年が経過し、色んな意味で悩んでいました。そんな最中に、樹木医さんが出演されているテレビ番組を続けて見ました。また偶然にも同世代の樹木医さんに出会う機会にも恵まれました。おかげで資格取得に向けた勉強の方向性が俯瞰できたのです。さらに日本樹木医会愛媛県支部の診断や治療にも参加できました。樹木医の臨床は新鮮で感動の連続でした。ふと気づくと樹木に対峙するその真摯な姿勢に、将来の自分を重ねていました。
「樹木医に成る!」と、私の本気モ-ドにスイッチが入ったのです。樹木に浅学であった私には、樹木医さんに直接学ぶことのできた一つ一つの知見が、総じて大切な財産となりました。造園の仕事にも新たな視点が加わり、さらに楽しい樹木との時間になりました。このような幸運にも恵まれ、1年という短期間の受験勉強で合格できたのです。
選抜試験に向けた勉強法は、家族が寝静まった夜の3時間を勉強にあて、雨の日は図書館にも通いました。仕事現場へは単語帳を持参して専門用語を暗記しました。その内容は、「樹木医の手引き」の精読と、15年分の過去問の完璧な解答です。また論文対策としては過去の出題を多様な方向性から論じてみて文章としてのパターン化を図りました。落ちることを前提には受験していませんが、選抜試験の合格通知が届いた時には嬉し涙が溢れていました。
素晴らしい講師陣や同期メンバーと過ごした筑波での2週間は、毎日が楽しく充実した夢のような研修となりました。樹木医になり早1年が経ちますがたくさんの先輩や同期の樹木医と交流を持て、私の悩みも軽減しています。今後は、樹木医としてのさらなる修練はもちろん、樹木や自然の素晴らしさを市民に啓発できるような活動にも臨みたいのです。
私のように「為せば成る」の精神で挑めば、今から樹木医を目指す方も、きっと夢が叶いますよ!