「研修は貴重な体験」
24期 谷内 繁
私は、高速道路の植栽点検をしています。お客様への安全確保のためにも潜在的リスクに目を向けた点検を行なえるようになりたいと樹木の勉強を始め、その先に樹木医という資格がありました。
今回は浅学の私にとって非常に貴重な体験となった、第2次審査である研修についてご紹介したいと思います。
約2週間の研修科目は樹木の構造や生理といった基本的な内容から、腐朽菌類、病虫害、土壌調査、診断方法、外科技術などの専門的な科目、その他天然記念物や保護制度など全16科目で、『樹木医の手引き』の中から広い範囲について講義が行われます。講師は樹木関係書籍の著者として活躍されている大学教授や研究所などの先生方で、直接講義を視聴できる貴重な機会をいただき大変勉強になりました。講義は1科目120~180分間で、そのほとんどがパワーポイントを使用したものですが、中には“資料なし”、“すべて板書”といった講義もあり、数十年ぶりに必死になって黒板を書き写す自分が微笑ましく思えました。各講義の翌日には確認試験があり、一定の基準に合格することが必須となります。私にとってこの試験が大きなプレッシャーとなり、まず初回の試験で自信喪失し、その後は毎日必死に復習することで漸く乗り越えることができました。また夜間の自習室では他にも多くの仲間が勉強しており、理解不足な部分は誰かに聞き、皆で考え、そのうち仲間意識が芽生え、苦楽を共にした同期の絆が築き上がったのだと思います。そして最終日に面接があり、樹木医としてのこれからの意欲を示し、研修は終了となります。
この研修では専門的な知識を得ることだけでなく、樹木医仲間という貴重な財産を得ることもできました。苦労も含めこの経験が自信となり、現在、私は樹木医の称号を名乗っています。これから受験を考えている皆さん、是非この研修を楽しみにして、まずは第1次試験合格に向け頑張ってください。