「樹木医合格まで五年」
23期 岩熊 直樹
樹木医試験を受けるきっかけは「樹木医の試験を受けてみようか」という先輩との会話がきっかけでした。それまで樹木医の仕事は作業員として携わることがありましたが、樹木医というのは樹木のプロフェショナルで責任が重く雲の上の職業と思っていたので、樹木医になろうとは考えてもいませんでした。
最初の年、私にはまだ早いと思い受験を辞退しましたが、この年に先輩が樹木医に合格しました。先輩が受かったならと会社の四人で樹木医試験に挑戦、私は過去問題集のみで挑戦しましたが結果は不合格でした。どのような勉強法をしたのか先輩からアドバイスを頂き、翌年からは樹木医の手引きや単語の意味を暗記し、生物や地学等の教科書を繰り返し幅広く勉強しました。
記述式の対策では、初めての試験で時間内に書くのがどれだけ難しいかという事を痛感したので、樹木に関して樹木医の方々との会話や、自分が先生になったつもりで説明出来るようにしました。
この勉強法をしながら五年目の夏、この年の福岡は異常なまでの猛暑。クタクタになりながら実家に帰ると、一瞬で疲れを忘れる出来事が待っていました。それは一通の見慣れない封筒です。私は目を疑いました。いつもの封筒ではない、私は封を切らずに喜びました。五年も受けていれば不合格の通知は見慣れていたからです。合格通知を頂いてからお世話になった会社、樹木医の方々に報告、新しい道が開けたと心から喜びました。
二次試験は毎日プレッシャーの連続で短期間にこれだけ勉強したのは人生で初めてでした。しかし苦楽を共にした仲間との出会いと合格した喜びは格別でした。
樹木医になってからの一年は今まで見ていた世界とまるで別世界でした。樹木医の知識や心がけを先輩方から学びながら、樹木医になって初めて樹木医になるスタートを切る事が出来ると感じました。私は限りある財産を次の代に引き継ぐ事のできる樹木医になれるよう日々精進したいと思います。