「樹木医になれた!」
29期 武田 泰葉
小さい頃、生き物に関わる仕事がしたいと漠然と思っていた私に、父が「樹の医者って仕事もあるんやで」と教えてくれたのが樹木医との出会いです。その後紆余曲折あり、農学部へ進学、改めて植物に関わる仕事をしよう、樹木医を取ろうと地元にある京阪園芸へ入社しました。
樹木医試験は、何年かトライし不合格が続いていたのですが、ようやく合格した去年は過去問10年分を解く→樹木医の手引きを読み込む→10年分→手引き→10年分→手引きとひたすら解いて読んで、を繰り返しました。10 年分もやらなくてもよかったかもしれませんが、年々問題の傾向が変わっていくのを感じられ、その中で自分の苦手な分野が把握出来たので無駄ではなかったかな、と思います(苦手を把握することとそれを克服することはまた別問題でしたが…)。樹木医の手引きの他には菌や病害虫の図鑑等を集めて読み漁りました。カラー写真や文字の大小が記憶に残りやすかったので、文字だけでは覚えにくいという方におススメです。また、自分への戒めのために毎日樹木医の手引きを持ち歩いていましたが、あの重さがしんどかった!私にとっては、もうこんな苦行はするまいと奮起することが重要だったようです。小論文に関しては、最新の病害虫ニュースにアンテナを張るとともに、環境白書などもチェックしていました。
樹木医を取得して1年目である今年は、7月から万博記念公園へ異動となりました。それまでいた公園とは規模も体制も何もかもが違うため、まだまだ戸惑うことが多いですが、色々な樹木をみることが出来るのでとても勉強になります。しかし、樹木医としての自覚を形成する前に、公園としての樹木の在り方、人と人工の森との関わり方、不健全木の危険性をどう回避するかなど沢山の課題とぶつかり、その中で樹木医として意見を求められることも度々…四苦八苦しながら答えを模索している状態です。情報の更新と知識の拡充の重要性をひしひしと感じているので、同期や先輩方のお知恵を借りながら精進していきたいと思います。