「樹木医になるまで」
25期 龍 弓子
大学では森林や林業について学び、樹木医補の認定制度が導入されていたので、卒業した春に樹木医補の資格を取得し、いつか「樹木医」にと漠然と考えていました。就職してから10年目の春、節目の年という気持ちが背中を押し、実力試しと違う角度から樹木を見られるようになりたいと受験を決意しました。実は5年程前に、「樹木医の手引き」と「樹木医研修受講者選抜試験問題集」を取り寄せたものの、範囲の広さと知識不足を痛感し受験を先延ばしにした小心者です。今回は樹木医の資格を持つ職場の先輩や同僚に受験することを話し、自分を追い込みました。
試験対策は過去問題集に絞り1回目は必ず試験時間通りに解くようにしました。2回目以降は、数問ずつでも空いた時間に解き、解説を読み込み、わからない用語や関連する内容を「樹木医の手引き」などで調べ、過去問題集の解説の隙間に書き込むことを繰り返しました。論述対策までは手が回らなかったので、仕事上関わる可能性があるマツ枯れ、ナラ枯れに関することだけは必ず回答できるように、用語や枯れるメカニズムなどを箇条書きでまとめ、試験直前まで見直していました。実際、論述問題でナラ枯れと林業に関する問題が出たので、問題に恵まれたというのが本音です。
試験当日は、過去問題集の経験から時間内に終わらないことが予想できたので、戸惑うような問題があれば後回し、解けるものから解き、最後の問題まで目を通すようにしました。論述問題は、質問の意図から外れないよう書くこと、8割(320字)は必ず書くこと、丁寧な字で書くことを心がけました。
勉強不足を実感していたので、合格の通知が届いたときには嬉しいよりも、不安な気持ちが勝り、研修中毎日行われる試験は自信が持てず本当に辛かったです。勉強熱心で、向上心にあふれた同期の方々に引っ張られて、頑張れた2週間だったと思います。
まだ樹木医としての活動はできていませんが、「ペーパー樹木医」にならないよう知識や経験を積み重ね、自分なりの樹木医の形を見つけていきたいと思います。