「樹木は何故弱るのか?何故枯れるのか?」
21期 池端 潔
私が樹木医を志したのは、入社7年目、丁度受験資格を満たす節目でした。私の社内業務は、工事部として主に現場で、施工・管理をする立場であり、仕事は感覚で覚えるものだと思っていましたし、庭師に脈々と受け継がれている技術は、そういうものだと疑う余地はありませんでした。
そうした中で、植栽した樹木が枯れることが何度かありました。
「何故弱るのか?何故枯れるのか?」
その何故を解決するにはどうしたらいいのかと考えた末、辿り着いたのが、樹木を学ぶ樹木医を目指すということでした。
勉強方法としては、「最新・樹木医の手引き」、「過去問題集」を中心に進めました。
択一式の試験対策として、同じ問題は出題されないというのが通例ですが、過去問題集15 年分を分類ごとに分解して傾向をみると、類似の応用問題が出題されていることが解りました。また、樹木医試験と同時進行で臨んだ環境系資格(造園施工管理・環境再生医・スカイフロントコーディネーター・森林セラピスト)取得学習の中で、幅広い応用力を養えたと思っています。樹木の構造等においては、堀大才先生著の「絵でわかる樹木の知識」は非常に理解しやすいと思います。
論文の対策として、恵まれたことに熊本県樹木医会では、樹木医試験受験者を対象に、論文対策を中心に講座が開かれており、例題に沿って何度も論文を書いては、添削を先輩樹木医の方々に指導いただいた反復学習が効果的でした。論文で重要と感じたことは、自分の中で「答えを持つ癖づけ」をすることでした。
お蔭さまで樹木医になれましたが、充実感と共に責任が重くなったように感じます。
今後としては、学術論文や、現場で得られたエビデンスに基づき、科学的に検証できるような技術者を目指したいと思います。