「様々な経験を活かしましょう」
28期 瀧口 俊
私は自然環境調査関連の仕事を入社から約6年間経験したのち、2年計画で勉強して試験に合格しました。つまり、樹木の育成や診断、移植といった樹木医が実施するような業務はほとんど経験がないので、樹木医の中では少数派の経歴になります。
樹木医になろうとしたきっかけは、“13歳のハローワーク”という本で知ったことでした。確か中学生のころだったと思います。生き物や自然が好きだったので、将来はそれに関係する仕事で生きていきたいと思い、大学では林学や生態学を学び、入社後に受験・合格という流れで今日に至ります。
筆記試験は、主に樹木医の手引きと過去問題集を使って苦手分野を自己分析する方法で勉強していました。解説が理解できなかった場合は、大学の参考図書に加えて光合成等の高校で学ぶものは予備校等が配信しているYouTube の動画で勉強していました。
勉強して感じたことですが、今まで樹木医に特化した勉強はしていませんでしたが、様々な経験が試験で活かされていることが印象的でした。具体的には、会社で経験した動物の生態や環境問題、大学で学んだ植生学、趣味の盆栽やガーデニング等。いろいろな経験が役に立ちました。それだけ樹木は多くの分野と関係がある生き物だと思います。
樹木医であっても得意とする専門分野があり、活躍の場は個人で違います。私は調査機器開発や地質調査を行っている部署が社内にあるので、樹木点検の機器開発や樹木や植生の視点からみた地質リスクの分析に資格を生かしたいと考えています。
最後に、研修中に知り合った同期の仲間たちは、外を歩けば、樹木を観察したり、種を拾ったりと植物が好きな方ばかりでした。樹木を知るためには、様々な視点が必要で、興味や好奇心は重要な原動力です。植物が好きな方には、この試験は決して難しすぎることはないと思います。難しい試験と考えずに、知識を増やして植物知識に磨きをかける良い機会と思って挑戦してみてください。