「技術を社会に活かせるように」
30期 山内 聡子
私は、大学で造園科学科を卒業し、現在、県職員として道路行政に携わっています。道路や公園の整備・維持管理の業務を経験する中で、街路樹や公園木など、インフラとして樹木を管理する課題に直面し、行政の側にも専門の知識を持った技術者が必要だと思い、樹木医を目指しました。
受験申込みと同時に試験勉強を開始しましたが、まず出題範囲の広さに驚きました。試験対策には、主に過去問集と樹木医の手引きを使って勉強を進めました。
選択問題対策は、過去問を解く→解説を理解する→樹木医の手引きを読む、これを過去問7 年分程繰り返しました。樹木医の手引きは、全ての項を読んでおく必要があると思いますが、上記のように過去問を数年分解くうちに、一通り目を通すことはできると思います。そのうえで図鑑やインターネットを使って補足しました。記述論文については、制限字数分まで書く練習は時間がかかるので、過去問を数問書いて文章の構成を決めたら、どんなテーマが出ても書けるよう想定問答を準備、という方法が効率的だと思います。
一次審査合格後の研修は、とても勉強になり、何より楽しかったです。同期には樹木にかかわる様々な職業の方がいらっしゃり、一緒に勉強できたことはとても貴重な機会でした。
樹木医資格取得後は、街路樹の維持管理をしている部署の職員と研修会を行い、樹木管理の基本知識を説明しました。これからも勉強を続け、得た技術を業務に活かせるよう研鑽を積んでいきます。
環境問題のような大きな話でも、コロナ禍の生活の変化といった身近な問題でも、今後様々な社会ニーズに樹木がより必要とされると、私は思います。個人のお宅の緑から、公園、山野まで、樹木医が活躍する場はたくさんあるので、様々な分野の方が、樹木医に挑戦していただきたいと思います。
私はまだまだ経験が浅い新米樹木医ですが、先輩方や同期のお力を借りながら、経験を積んでいき、樹木医として社会に役立てるように努力したいと思います。