「不得意分野の克服」
25期 田中 伸一
造成地における植栽基盤土壌の在り方について土壌調査と土壌改良方法の提案が仕事の多くを占めていましたが、経験を重ねるごとに、樹木の根や土の状態を数多く見てきたはずなのに地上部の顔色については勉強不足であったことを反省し、正しい知識を取り込むために樹木医を目指しました。
選抜試験までは、樹木医研修受講者選抜試験問題集(過去問)を購入し、ひたすら読み返しました。初めに、試験と同様にテストを行うことで今の理解度と弱点を把握しました。次に、弱点となる分野を中心に時間をかけて一問ずつ復習するのですが、必ずパソコンの前で勉強しました。飽きっぽい性格のため興味が薄い分野では集中力が無くなることや、日常の限られた範囲で時間を有効利用しようと考えた結果、問題文や解説文について少しでも解らない言葉があれば、すぐに検索したのです。どんなに些細な点も疑問が残らないよう、何度も検索を繰り返すことで、自分の理解度に合った解説(例えば、小学校の先生が丁寧に書かれているホームページなど)を見つけることができました。地味ですが、一つ一つの検索はとても楽しく、そこから広がる新たな疑問と共に、問題文と解説文が融合して自分の頭で理解できた時にはドーパミンがあふれました。結局、勉強時間は増えたような気がして効率的とはなりませんでしたが、不得意な分野の克服には、かなり役立ったと思っています。ただし、もし同じような勉強法を試される時は、パソコンだけに頼り過ぎるのは注意して、最低限、「樹木医の手引き」を一読しましょう。
樹木医に認定された現在、認定前とは違った目線で樹木の顔色を見ることができるようになったと感じていますが、まだ、これまでの経験と結びつけるには至っていません。試験勉強や研修で学んだことは基礎中の基礎であり、この土台の上に経験という武器を積み上げることで、責任の重さを感じながらも自信を持って「樹木の地上部と地下部を総合判断できる樹木医」を目指したいと思います。