「ひたすら解き、読む」
30期 谷口 綾
家業が造園会社だったこともあり、幼い頃から樹木に囲まれて育ち、ふわりとした夢は「樹のお医者さん」になることでした。東京農工大学を卒業し、6 年間東京にあるお庭の設計会社で働いた後、実家の造園会社で働き始めましたが、日々の業務と育児に追われて気付けば40 歳目前。簡単に取れる資格ではないと重々分かっていたのでなかなか挑戦できずにいたところ、会社にとっても必要な資格であり、覚悟を決めて勉強を始めました。
私にとって本当にありがたかったのは、会社内に第13 期合格の樹木医の先輩が居たことです。試験を経験した先輩からの学びや効果的な勉強法や試験に関するアドバイスはとても参考になり、樹木医にとって必要な様々な知識が少しずつ私の中に貯金され、特に論述式の試験の際に大変役に立ちました。
具体的な勉強法は大変シンプルで、過去15 年分の問題集と「樹木医の手引き」をひたすら解き、読むだけです。ただ、何度も何度も繰り返し読みました。そして読みながらノートに重点をまとめて、オリジナルの教科書を作りました。あまりの記憶力の哀えに驚く中、このオリジナルの教科書は本試験や実習の際にも役に立ち、試験に合格した今でも私の宝物です。
そして何より苦労したのは勉強時間の確保です。仕事、家事、育児に追われる毎日の中で、勉強だけに集中できる時間を捻出するのは相当に難しく、毎日必死でした。全てが中途半端になって泣きそうな事もありましたが、家族や両親、会社の皆の協力で何とか1 回目の挑戦で合格することが出来ました。
まだまだ経験は浅いですが、頼りになる先輩の下で、実戦で役に立つ樹木医を目指して日々勉強を重ねていきたいです。そして、お庭の作り手としても、樹木医の知識を生かしてより深みのあるものを生み出していけたら…と思っております。