「なんで、僕が樹木医に!?」
29期 小松 正典
私が初めて樹木医の存在を知ったのは、小学4年(10 歳)のころです。私の母が樹木医試験に合格し、筑波へ2週間研修に行ったことを覚えています。木のお医者さんということで認識していましたので、かっこいいなと思っていましたが、それが造園業の仕事の一環であることはよく理解していませんでした。両親は造園業を営んでいましたが、私は造園とは全く関係のない、教育学部に進学しました。なぜか、その後は色々あって心機一転、造園の道に進み始めました。その中で、「かっこいい木のお医者さん」は昔の憧れのように感じていましたので、いつかは必ず取ってやろう思っていました。
一回目の挑戦は失敗に終わりました。昼間に肉体労働して夜に勉強するのは大変です。しかし、皆同じ条件で頑張っているのだから、それは言い訳に過ぎません。次の年、再び受験しました。正直言うと手応えはなかったので、合格通知が来たときは飛び上がりました。しかし、これはチャンスだと。筑波に行って毎日行われる試験に合格すれば晴れて樹木医になれますので、そこから必死に勉強しました。
樹木医試験の試験内容は本当に幅が広く、択一問題は本当に難しいと感じます。私の場合、大学での専攻が中学高校の理科教育でしたので、高校理科レベルの知識はそれなりに備わっていました。それが活きたのだと思います。他には、最近の傾向として論述試験は、正確な読み取り能力や簡潔な説明能力が問われているように感じます。樹木医の手引きを中心に、動植物昆虫、高校理科など幅広く勉強し、しっかりと文章が書けるようにすればいいのではないでしょうか。
樹木医は、なってからがスタートだという言葉をよく聞きました。本当にその通りだとつくづく感じます。樹木に関してまだわからないことはいくらでもあるので、新しい情報に常に目を向けています。そして、さらに知識を深め、様々な経験を積み、樹木医の業務に全うできるよう努力したいと思います。