「桜守を目指して」
25期 海老名 雄次
私が樹木医を意識したのは、20 歳の時でした。当時就職のために将来の職業を考えていた頃、弘前公園の桜を管理する樹木医の新聞記事を見つけて、かっこいい仕事だと思ったのがきっかけです。その後、実務経験を積み弘前市役所に就職しました。
公園緑地課に配属されて樹木医受験まで1年間の準備期間があったので、まず樹木医の手引きを覚えようとしましたが、そのページ数に圧倒されて早々に断念しました。次に過去問を全部覚えれば何とかなるだろうと思い、過去10年分の問題集を手に入れて全問正解できるまで何回も繰り返し問題を解き続けました。朝起きるのが苦手なため、家族が寝てから夜中までの時間に勉強をしました。またどこに行くにも常に問題集を持ち歩き、少しの時間でも読むように習慣づけました。
しかし、実際の試験では過去問と同じものは出ず、今までの勉強は何だったんだという位に手応えがありませんでした。後日、選抜試験を通過した方の話を聞くと樹木医の手引きを暗記したという人が多かったので、そのほうが良かったのかなと思います。
論述問題は予想問題を作って勉強したものの、出題範囲が広いため満足のいく対策はしていませんでしたが、昼休みに読んでいた部分がばっちり出題され、このときばかりは小さくガッツポーズしてしまいました。
樹木医研修は勉強漬けの毎日でしたが、同期の方々の志の高さに引きずられながらなんとか乗り越えることができました。また、「まさか二次で落ちないよね」という職場や家族の激励?によって2週間頑張ることができたと思っています。応援していただいた皆様、本当にありがとうございました。
現在、弘前市では桜管理の専門チームである「チーム桜守」を組織しており、私もその一員として先輩樹木医とともに弘前公園の桜を管理していますが、木の健康を維持し、来園者に感動を与える桜を咲かせることを目標に勉強を続けていきたいと思います。