「樹木医への挑戦」
25期 小浜 悟志
私は個人住宅を主に扱う住宅メーカーの造園部門に勤務し、主に設計積算を担当しています。会社全体で造園工事を応援していただいており、研修の中で樹木医の指導を受ける機会がありました。ある時の雑談で、「樹木医試験は難しいでしょう?」と問いかけると、「あなたもきっとなれますよ。」と励ましていただきました。生来、その気になりやすい性格の私は、すぐさま日本緑化センターへテキストを注文。これが樹木医挑戦への第1歩でした。届いた500ページに及ぶ分厚さのテキストに唖然としたのは11月の末のことでした。
12月より1ページずつ読み進めましたが、知らない言葉ばかりでなかなか進むことができません。居間に机を据え、パソコンとプリンターを置き、わからない言葉や事柄はテキストにラインを入れて、インターネットで検索をしながら読み進めました。現代は非常に便利で、用語の解説はネット上にあふれ、学術論文も多く掲載されています。私は生物や化学に弱いので、基礎的な知識は娘の高校生用の教科書や参考書を借りて学習しました。これはとても役に立ちました。
テキストをようやく読み終えたのが翌年4月初旬。その後は緑化センターの過去問題集を繰り返し解くことで学科試験は対策をし、論述は企業内の樹木医受験支援の研修講座で先輩樹木医から添削指導を受けました。御指導いただいた甲斐あり、試験は無事合格。時間をかけて地道に反復学習することが一番近道です。
筑波での研修は、うわさほど大変ではなく、各分野一流の講師陣の指導は大変有意義で、多くの仲間との交流もあり、あっという間の2週間でした。かけがえのない一生の思い出になりました。
現在も業務は変わらず住宅の造園設計を主に行っていますが、社内の後輩や関連企業などでの樹木知識の研修や過去に施工した造園工事のお客様からの樹木にまつわるトラブルの相談などが新しく加わりました。
個人住宅の多くの顧客は樹木に素人です。素人の目線に立って樹種選びから管理まで丁寧に設計、維持管理を行うことが今の目標です。