「信頼される樹木医を目指して」
22期 池本 省吾
私は県の林業試験場で約20年林木育種と育苗分野を担当し、樹木医とは無縁の研究生活を送っていました。外部からの病虫害関係の問い合わせには先輩樹木医である室長が対応していましたが、室長の退職後は私に回ってくるようになりました。これまで様々な樹木の育苗試験をしていたため、苗木に発生する病虫害についてある程度知識はありましたが、「うちの庭木が病気か何かで衰弱してる。どうしたら回復する?」と聞かれても答えられません。ただ問い合わせて来られる方にとって試験場は最後の砦ともいえる場所なので、回答まで時間をいただいて病害図鑑等を調べたり、他県の知り合いの研究者へ問い合わせたりして何とか対応していました。1年経つとこれらが数十件に達しており、きちんと対応できる力をつけたいと思い樹木医受験を決めました。
何事にもスロースターターの私が受験勉強を始めたのは試験まで1ヶ月余りとなった頃。ひとまず室長の置き土産である古い過去問題集を解くことから始めましたが、最初は正解率が3 割程度で落胆しました。不正解の部分は解説文を読み込み5回目には9割までUPしました。しかし本当に力がついたのか不安だったので、急遽1週間前に最新の過去問題集を購入したところ5 割程度しか解けません。出題の傾向が変わっていたためで、その後は繰り返し過去問を解き、何とか正解率を9割に上げることができました。記述式の勉強は特にしておらず、普段の論文や報告書作成で培った技術でぶっつけ本番でいこうと腹をくくって臨みました。
実は樹木医の筆記試験の前日には別の資格試験があり、試験勉強を同時進行していたので、二兎を追って大丈夫だろうか……と不安になったこともありましたが、集中して勉強できたのが良かったのか幸いどちらも無事に合格できました。つくばでの研修は大変でしたが有意義で充実した毎日でした!!
樹木医としてはまだ新人ですが、地道に経験を積み地域に貢献できるよう精進したいと思っています。