「樹木医を取るまで」
28期 幸前 直子
樹木医になりたいと思ったのは専門学校に通っていた時、自分の住む町から緑がどんどん少なくなっていくのを心苦しく思ったことだと思います。自宅は通勤に便利な立地のため、住宅が年々増えていく一方、山麓は山肌が見えるようになり、無残に伐採されていく木をよく見かけていました。当時は樹木についての知識が余りなかったため、どのような理由で伐採されたのかはわかりませんでしたが、新たに植樹された木は周辺樹木とのバランスの悪いものでした。もっと樹木と人間が身近な町になってほしいと思い、資格を取れば何らかの形で人が木に親しめる環境を作れるのではないかと思ったからです。また職場に樹木医の方がおられたことも大きかったと思います。知識と経験が豊富で、特に松についてよく教えていただきました。その方に勧められ樹木医試験を受けてみようと決心しました。
数年かけてやっと受かったのですが、勉強方法は、過去問を解き、答えられるまでチェックしてわからない所については手引きで調べたことなど全て問題集に書き込むという風にしていました。最後は問題集が字で一杯になっていましたが、開くたびにこれだけやったという自信がついたことが良かったと思います。平日は仕事で疲れすぐ寝てしまうので、休みの日に集中して勉強し、問題の内容別に自分のわからなかったことをまとめて大体見開きで見られるようにノートを作りました。これも書き込みになるので書くことで記憶できたと思います。電車通勤なので書いたノートと問題集を読み返す作業の繰り返しをしました。合格通知が届いたときには信じられないほどびっくりしました。
筑波の研修では一日一日内容が濃かったです。風邪をひいてしまい、講義と試験がつらい時もありましたが、同期の人たちとの交流で楽しく乗り切れたと思います。
今はまだ資格を生かした仕事はしていませんが、先輩樹木医の皆さんに見習ってこれから私なりの方法で頑張っていきたいと思います。