「自覚• 責任感• 謙虚さ」
27期 辻本 悟志
樹木医になろうとしたきっかけは、私が中学時代に、職業インタビューで樹木医さんのご家庭を訪問させて頂いたことです。そちらのお庭には手入れの行き届いた立派な樹木が沢山あったため、樹木医に強く惹かれたとともに、樹木医になるとこれだけの豪邸に住むことができるのかと、未熟者ながらの少し不純な動機もあったと記憶しています。
樹木医補の認定大学に進学後、樹木医になることを目標に、樹病に関する研究をしていました。その後、別の大学院で小動物による貯食散布に関する研究に取り組んだ後、弊財団に入社しました。
試験勉強開始は一次試験の約2ヶ月前からです。勤務日の昼休みは早めに食事を済ませ、自作した単語カードをめくっていました。また、沖縄は車での移動が多いため、車中は試験に関係のありそうな動画を流していたときもあります。そして、私の場合、大学や大学院で学んでいたことが大きかったと思います。特に、大学院での研究に関する基礎的な問題が例年1問は出題されており、私の得点源でした。この1問は、実地経験の有無が重要であると思いますので、大学院での現地調査の経験を活かすことができ、私の自信になりました。
以上のように、勉強時間を作り、勉強方法を工夫したこと、また、メンタル面において得点源があることで自信を持てたことが合格に繋がったのだと思います。
最後にこの場をお借りして樹木医として若輩者ではありますが、私の考えを読者の皆様にお伝えしたいと思います。
樹木医として忘れてはならないと私が思うのは、獣医等の他の医師免許とは違い、民間資格であることに対する謙虚な気持ちです。また、その気持ちを持ち合わせながらも、他の医師免許と同じく、「医者」としての自覚を持ち、責任の重さを感じながら樹木に向き合うことです。この2点は私だけでなく、読者の皆様も頭の片隅において頂き、樹木医としての道をこれから歩んで頂ければと思います。