日本樹木医会ビジョン2024
一般社団法人日本樹木医会(以下、本会という。)は、法人設立後、日本樹木医会ビジョン2012を定め、「樹木と生きる」を主旨として活動してきた。その後の社会経済情勢と樹木医活動の多様化を踏まえ、新たな活動指針となるビジョンを定める。
1.社会に貢献する樹木医の役割
一般社団法人日本樹木医会は、法人の目的を定款で以下のように規定している。
樹木医の知識と技術を通じて巨樹、名木等の文化財をはじめとする樹木、緑地、森林等の保全、樹木文化の継承と発展及びこれらの普及啓発に関する活動等を地域社会と連携して行うこと等により、広く環境の保全に寄与することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
(1) 会員の知識・技術の向上、交流等会員の支援に関すること
(2) 情報収集、調査研究及び技術開発に関すること
(3) 普及啓発及び指導に関すること
(4) 地域社会、関係機関等との連携に関すること
(5) その他、当法人の目的達成に必要な事項に関すること
このため、樹木医には、樹木の調査・研究、診断・治療、公園緑地等の計画・設計・設計監理などを通して、樹木の保護・育成・管理、落枝や倒木等による人的・物損被害の防止、後継樹の育成、樹木に関する知識の普及・指導などを行う専門家としての役割がある。
また、会員は各自が有する多様な能力を発揮して実績を積み重ねるとともに、継続的な研鑽により自己の能力を高め、それぞれの役割と責任を果たすこととする。
2.会員の義務と責務
会員は樹木を通じて社会とつながり、業務を通じて広く自然環境の保全に貢献し、多種多様な樹木の診断と治療を通じて地域と人々の暮らしの維持、向上に寄与することを義務と責務とし、本会の倫理規定を遵守して次の掲げる事柄に取り組むこととする。
(1) 樹木と人々の関りを樹木文化として認識し、継承し、啓発する。
(2) 樹木医の知識、技術の研鑽と見識の向上に務める。
(3) 日本の多様な自然に応じて地域に根ざした活動を展開する。
(4) 蓄積した知見を活用して予防医学的な取組みを推進する。
(5) 会員相互の交流による効果を発揮するため様々な活動に参加する。
(6) 的確な業務を通じて社会に貢献する。
3.本会の役割と取組み
本会は、法人化を契機に「樹木と生きる」を掲げ、それを具現するため、これまでの樹木医業務の発展と多様化に応じ、会員の的確な樹木医業務の遂行による社会への貢献を広く発信し、さらなる拡大と発展を目指して次に掲げる活動を展開する。
(1)「樹木と生きる」の主旨に基づき、樹木と樹木医活動を発信する。
(2)樹木医技術と知見、見識を活かし、樹木医業務の拡大を図る。
(3)的確な樹木医業務の遂行に向けて樹木医CPDを推進する。
(4)地域における樹木医活動の拡充を図るため、樹木医講演会の開催や地域社会と連携した活動に務める。
(5)書籍の出版や樹木医活動の記録、会員の交流などを通じ、樹木医活動の発展と将来への継承を図る。
(6)会員の幅広い知識・技術の習得に資するため、関連学会、専門機関等と連携を推進する。
(7)本会の活動に賛同する支援者の拡大を図り、安定的な運営に努める。